やさしい曇り空

パチャママ 

乾いた土が水を欲している
太陽は強く揺るぎない



さあ私の懐から生まれ出よ


生きていることを喜び
笑い声をあげて私をこそぐれ

血の滴る生け贄はどこだ
胸抉る悲しみに私を叩け

たくましき民よ
鮮やかな布を肩に私を踏みしめろ




美しき緑の川
赤く土色に染まる頃
乾いた山に命があふれだすだろう

もうすぐ
もうすぐ










※ 先日ペルーに旅行に行ってきました。アンデスの山って傾斜が急だし乾燥していて茶色だし 
  すごい迫力!! パチャママっていうのは 大地の女神のことです。
  高台に立ち、聖なる谷を見ているとこんな気分になりました。
  1. 2008/08/27(水) 03:37:13|
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六月の電話


電話をしました
あたたかい声がしました
自分の中の醜い感情の話をしました
なかなか人にはわかってもらえない感覚の事も話しました

彼女は否定をせずそうだよねと言ってくれます
自分にも呆れられそうな私の事を
彼女はわかってくれようとします

うなずいてもらえると
先駆けの私の後ろに まるで百万の味方がついてくれたようでとてもうれしかった

けれども彼女は電話を切ってから
たぶんとても疲れているのではないかと思います
うれしかったけどとても申し訳なかった

今度電話をしたら彼女を元気にできる私でいたいなぁ


窓の外の六月は重い雨雲を背負い
溢れそうになる雨を必死で耐えているようでした
遠い電話の先ではもうずっと雨だとのことでした









※ Rさんに感謝をこめて……。




  1. 2008/06/09(月) 15:13:05|
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水田


悲しみに俯く人を
救う言葉が見つからない

水田の四角い水鏡
映した山の頂にやわらかな花咲かせ
無力な私と空を抱く




  1. 2008/05/13(火) 02:33:17|
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皐月


さつきのそらのうすいいろ
やわらかなメタコセイヤ
かすかなかぜにふるえてわらう

ふふふふっ ふふふふっ
そらをこすぐりふるえてわらう



  1. 2008/05/09(金) 11:21:01|
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カラス


闇色の電線に
カラスが静かにとまっている

鳴くわけでもなく
動くわけでもなく
無節操な明るさで
夜にさえなりきれない夜に
今溶けようとしている


アスファルトに響く
私の足音






  1. 2008/04/24(木) 16:44:01|
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海岸

波打ち際
寄せて返す思い出
誰かの言葉
子守歌背を叩くおおらかな手

日差しは波間に砕け
たくさんの白い光りのつぶ

水面に漂う時間は
掴めそうで掴めない

夢のようだ
夢のようだ
生きているなんて









  1. 2008/03/20(木) 12:20:57|
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街路樹



小さくも大きくもない道に並んで
何も言わず街路樹は立っている

完成された道路には
美観の為に必要なのだ
考えられた街の姿には
環境保全の為に必要なのだ

伸ばした太い枝の先に
何本もの細い細い枝のなごりが
ぎゅっとかたまって
たくさんあつまって
たわしのようについている

春になれば渾身の力で枝を伸ばし葉を出したのに
秋に少し葉が色付いたと思う頃
枝はまた元から切られてしまった

落ち葉を落とすと何かと面倒なのだ
葉を集めるより
葉がついている枝の元から切ってしまえば簡単なのだ

樹があるということを半分だけ欲しい人間は
容赦なくいらない半分を毎年毎年切り落としていく

薄闇に浮かび上がる樹の影を
誰かが「化け物みたい」と指をさして笑って通っていった
そう化け物はきっとこうして作られるんだね


小さくも大きくもない道に並んで
何も言わず子供らは立っている











  1. 2008/03/08(土) 07:30:57|
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アクセル





まだ暖まらない車の中で降りはじめた雪を見ていた

白く軽い華が吹き飛ばされていく
はるかな距離を旅してきたのに
自分の思うところになど
着くことはできはしない

到着したそこは
不本意かもしれないフロントガラスで
先ほどから日に当たり
溶け始めていた先住の民と
ひとしずくの流れる水に変わった

車の向こうでは民家の軒先に吊されている丸いタオル掛けが
風車のようにまわり続ける
くるくると翻弄されひるがえり
軋む音さえも悲しげだ



ああ今
強い日が射して
私は顔をあげる

ガラスを流れる雫は
ダイヤもかなわぬほど輝き
軒先の白いタオルさえ
日を返し白く白く輝く

アクセルを踏んで私も明日へ行こう





  1. 2008/02/24(日) 10:03:11|
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人間だもの

大嫌いなあの子が
いい思いしたと知ると
面白くないと思ってしまう
わたしはとても卑しい

あの子にもわたしにも腹が立って
ふっとトイレの壁をみれば
いつもみつをが慰めてくれる
「人間だもの」




  1. 2008/02/21(木) 17:36:36|
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また飲み過ぎてしまったらしい

子供と乾杯キティちゃん柄シャンメリー
お洒落なようで安っぽいカロリーハーフの缶酎ハイ
瓶ビールに缶ビールにほとんどビールの発泡酒
ウィスキーにバーボンにくるっとまわしてブランデー
赤ワイン赤白ワイン白ピンクが綺麗なロゼワイン
ザラメを混ぜた紹興酒それから赤巻紙青巻紙麦焼酎
クラクラくらっと胡座でくだまき清酒純米濁り酒

眼前に流れる飲みきれない種類の飲みきれない酒を
少しずつ口に含んでいつの間にか自分は消えしまった
酔っぱらった私は流れの淵で誰かに背中をさすられている





  1. 2008/02/21(木) 04:55:53|
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カーテン

カーテンが揺れる午後に
テレビから誰かが言った
みんなそうですよって

聞かれた覚えもないのに
いつの間にかそういうことになって
世界はそれに流されていく

私だけ揺れるカーテンに絡まったままで




  1. 2008/02/20(水) 14:09:23|
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あかいろ

ゆうぐれ
あかいろ
あかいろ
いちめんのあかいろ
うつくしくてかなしくなるほどのあかいろ

さいごまでとどくひかりだから
わたしにもとどく

このからだぜんしんにながれるいきているあかしのいろ



  1. 2008/02/17(日) 23:02:11|
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パワーが足りない

さあ、やるぞっ!と
かけ声かけて
そのまま脱力してしまう

明日はオキシライドの電池を買ってこよう


  1. 2008/02/13(水) 16:53:54|
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蝋梅

かたく透明なはなびらの
ぎゅっとぎゅっと両手を握る強さ

刃の痛みさながらの冷気のなかで
高みを目指すものの輝き

今昇りはじめたばかりの月を
そっとひとひらにして




  1. 2008/01/27(日) 17:14:18|
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鈍色の空

鈍色に冷える空を背に
沈んだ梢は硬く強ばる
不動の想いさえ風に揺らされ
凍え震える弱者に見えよう

芽がある
この枯れ果てたように見える身体の中に
いつか掲げるべき透明な緑

何もできない梢を笑う者達が
いつか動けなくなったとき
柔らかく揺れる葉でそれを慰めよう




  1. 2008/01/21(月) 17:02:48|
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つる

薄茶にすすけた襖のなかで
つるは今日も天をめざしている

大きく広げた翼は悠然と風を纏い
ツンとすんだ冷気の中に
高く響く一声が聞こえる

下に描かれた金のつるも
横に描かれた紅のつるも
乾燥し過ぎた紙は綻び
今は姿を留めていない

この部屋の主は年をとっていなくなり
鶴の間だねと言って笑ったあの小さかった子供等は
いつの間にか巣立ち戻ってくることはなかった

たった一羽で残ったつるは
それでも天をめざしている

明日取り壊しのブルドーザーが
この襖も家も粉々にしたら
やっと囚われを解かれ天に向うのだろう

コウと鳴き愛おしみ

コウと鳴き時を痛み

コウと鳴き天を引き寄せて






  1. 2008/01/21(月) 01:20:30|
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浅い夜を闇にするために
星も月も墜とそう
一つでも残したらダメだよ
光りなんて見たくないんだ

真っ黒い塗料を筆に取り
どっぷり世界を塗りつぶし
時間も空間も塗りつぶし
私の手も足も身体も全部を塗りつぶし

そうしてずっと隠れていよう



  1. 2008/01/12(土) 01:55:23|
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摩耗

新春の晴天
弾むグレイのアスファルトに
そっと横たわるふわふわの三毛
小さな鈴つけてる

はやく目をお覚ましよ

誰かがうっかり君の上を通ってしまうのだろうなと思いながら
そのふわふわな毛のやわらかさを想像しながら
何も見なかったかのように通り過ぎる私



  1. 2008/01/04(金) 01:57:20|
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立ち枯れススキ

立ち枯れて黄金色
ふんわりほわりと揺らめいて
ススキの穂はやわらかく気をふくむ
冬の日差しを逃さぬように

土を抱きしめ
空に微笑み
この種を飛ばそう



  1. 2008/01/03(木) 01:44:06|
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初詣

神様がそこにいるのなら
押し寄せる人波の
事細かな欲の願いを
どんな思いで聞くのだろう

社の奥の鏡は
静かに時を映している




  1. 2008/01/02(水) 02:37:01|
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明けました!

あけまして おめでとうございます

昨年は放置状態ですみませんでした。
深く反省しております。

今年は「サクサク更新!」を目標に頑張りたいと思います。
相変わらずの駄作ばかりですが 今年もよろしくお願い致します

                    



  1. 2008/01/01(火) 02:07:45|
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明ける海


明け方のまだ暗闇の水平線に
白い星が落ちている
深い海の中に光りをおとして
こっちへこっちへと呼んでいるのだ

岸辺に進む小舟には
後方のモーターに寄り添い立った漁師が
静かに舳先を見つめている




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  1. 2008/01/01(火) 01:43:11|
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ごめんなさ〜い。
広告入っちゃいました。
私って…………なんて情けない奴なのぉ(恥)

あのぅ ちゃんと生きてます。

まあ、お忙し+ちょっぴりスランプ?

来年はちゃんとします。ええ、もう!!

来年の私にご期待ください(ほんとかっ??)

  1. 2007/12/23(日) 15:12:54|
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最後のこうろぎ

今年最後のこうろぎが
隣の庭で鳴いている


ころろろろ ころろろろ ころろろろ


誰かを呼ぼうとするわけでなく
静かに全てを抱きしめて


ころろろろ ころろろろ ころろろろ


こぼれ落ちていく一秒一秒
愛おしい 愛おしい 愛おしい



 


 

  1. 2007/11/11(日) 02:07:42|
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あけみちゃん

あけみちゃん
覚えていますか
あなたが少しの間暮らした町にいた私のことを


あなたは私の娘より
少しだけ幼い歳でした
それなのに身体は大きくて
ちょっと大人びて見えました


公園の隣のマンションに
お母さんと二人で住んでいましたね
娘が遊びに行ってみたら
お母さんは寝ていたみたいだと言ってました


あけみちゃん
涼しくなっても
あなたの足はサンダルのまま
どうみても小さすぎる自転車で
昼間もブラブラしていましたね
幼稚園にも行っていないと
近所のお母さん達は眉を寄せていました


あけみちゃん
あの日うちに来てくれたとき
娘が帰ってと言ったのは
あなたが嫌いだったからじゃないんです
ただ宿題ができてなかっただけだったんです


廊下で立ちつくして顔を歪ませたあなたを
私は思わず抱きしめてしまいました


あなたは声をあげて泣きましたね
たくさんの涙が私の胸を濡らし
抱きしめた頭がとても熱かった


あれからあなたの姿を見なくなって
人の噂で引っ越ししたと聞きました


あけみちゃん
覚えていますか
あなたが少しの間暮らした町にいた私のことを


あれからもう何年も経つのに
私はあなたが忘れられません
あなたのたくさんの涙が胸に染みこんでしまってとれません
あなたの体温がこの腕にずっと残ってとれないのです


あなたはどこに居るのでしょう
あなたに会う術はきっともう無いのでしょう
だからせめてあなたの幸せをここからずっと祈っています
そして約束しましょう


いつかまた名前の違うあなたのような子に会ったなら
今度こそ
何もしない私にはならないと


 



  1. 2007/10/28(日) 02:24:50|
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スーパー

夕暮れのスーパーで
少年とお母さんは買い物をする


あさりの入った白いトレーを
二人で指でつつき
笑った


少年の頭はお母さんの肩を少しだけ越している
ちょっとだけ見上げてお母さんを見る


お母さんは化粧っけがない
お母さんは色が黒い
お母さんは目尻に深い皺がある
お母さんは前歯が一本ない


ちょっとだけ見上げてお母さんを見る


まわりは大安売りの時刻
値引きシールのおじさんは
英雄のような手さばきで
半額シールを貼りまくる


バナナ レタス 鶏肉
半額の魚に値引きの牛乳


指を指しては振り返り
ちょっとだけ見上げてお母さんを見る


眩しいものを見るように





  1. 2007/10/23(火) 08:58:55|
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彼岸

緑の稲穂を泳がせ
葉の波をうねらせ
何処へ駆けていくのか
西方から吹く風よ


知らぬ間に時間は実を育て
柿の枝をしならせる


紫のりんどう
銀のススキ
紅の萩


世界はまだ美しいよ
あなたがいなくなった今も





  1. 2007/09/24(月) 03:06:57|
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闇を飛ぶ白き蝶
手を伸ばし微かに触れる


指先に残る光る鱗粉
そっとこの頬に


明かりはいらない


震えているのは知らなくていい
誰も知らなくていい



 



  1. 2007/09/22(土) 02:32:22|
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幼子(おさなご)

眠る幼子(おさなご)胸に抱き
柔らかな未来そっと揺らそう


ほらここはメリーゴーランド
白い木馬の上に乗り
これから出会うたくさんの
楽しいことの夢をごらん
オレンジジュースにぬいぐるみ



眠る老女の傍らで
籐の椅子そっと揺らそう


ほらここは海に流れ込む大河
頼りなき木の葉の船で
やっとここまでたどり着いた
楽しいことの夢をごらん
ニライカナイから船が来るよ



 

  1. 2007/09/22(土) 02:00:38|
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真実

生きれば生きるほど
幸せが何かわからなくなるんだ


信じる神もないから
全ての答えが正しくて
立ち止まってばかり


あるがままに在る物に
いちいち意味なんかつけなくていいよ


もたれた壁の硬さだけが
今 背中が感じる真実





  1. 2007/09/22(土) 01:22:25|
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