錆色の鉄のササクレ
そっと指先で触れる
カサカサに干からびた時間は
パラパラと足元に落ちる
風が吹き
さらっていった
山茶花の花びらと一緒に
私の知らない場所へと
転がって行った
錆色の鉄のササクレ
そっと指先で触れる
カサカサに干からびた時間は
パラパラと足元に落ちる
風が吹き
さらっていった
山茶花の花びらと一緒に
私の知らない場所へと
転がって行った
乾いた地面を両手ではたいて
しろこなをとった
ただ黙々と
しろこなをとった
さらさらの目の揃った土の粉
たくさん集めて手のひらに乗せる
ひんやりと
とてもひんやりと
何とも違う感触に
またしろこなをとった
軋む遊具の音
楽しそうな笑い声
それら全部を背に受けて
私は一人でしろこなをとった
何かが違う自分を見つけて
散らばった私を集めるように
園庭にしゃがんだ私は一心にしろこなをとった
今はもう駐車場になったその跡地には
小さな私の幻が
まだしろこなをとっている
鈍色の堤防
枯れたススキを振って歩く
空は消え
川に水はない
望む心が胚になり
両手で作った繭の中心で
小さな鼓動が始まる
手を開けば
そこに鮮やかな世界
※ミロルさんからのHPキリリク「始まり」にこたえて。HPにも同時UPしました。
面白いねと笑ったら
おもしろいねとわらってくれた
どうなんだろうって尋ねたら
どうなんだろうとわらってくれた
暖かいねと振り返ったら
フードをすっぽり被ったままで
うん そうだよねとわらってくれた
こんな寒い日は特に
あたたかなあなたの日差しに涙が出そうになる
※ときどき せつない(久遠さんのブログ)の 一月のお題から 愛日 をえらんで(お題は7つもあるんですよ!)書かせていただきました。みなさんも是非!
夏の照りつける太陽は「赤日(せきじつ)」秋は「秋陽(しゅうよう)」そして 冬の日差しは「愛日(あいじつ)」と言いうのだそうです・・・・・・はははははっ、そぉなんだぁ!
永遠のない永遠
らせん階段をどこまでも登ったら
優し想いで心を満たし
いつしかあたたかい夢になって
眠るあなたに会いに行こう
きらめくひとしずく
清浄なる空気の一流れ
とてもやわらかい梢の光
ヒグラシの恋歌
木に残る柿の朱
モズの一声
朝方の白い霧
やさしい喧噪
夕暮れのカレーのかおり
忘れられたままのボール
夕闇に響くブランコの音
風の吹き抜ける商店街
人影はまばら
ところどころのシャッター
ときどき現れる更地
ほんの少しだけ芽吹いた草は
生まれたことをよろこんで揺れる
スピーカーからオルゴール
抑えきれない時間は優しい音となり
ポロポロと足元にこぼれおちる
通りの向こうには大きな神社
灰色の鳥居
ハラハラ揺れる白いのぼり
緑錆の大きな屋根は
ひっそりとたくさんの時間を包んでいる
黒く流れる水面(すいめん)を
ゆらゆらと白く蠢く月の光だけが
それが流れていると知らしめる
大きな水門は開いているのか
あるいは閉じているのか
薄闇の中では知るよしもなく
小さな川にかかった橋の上で
私は流れを見おろした
きっと深い
そして速い
どぉっと響く流れの振動
ゆらゆら踊る月の虫
それはまるで黒い龍だ
私の足元を
途方もない力すべてで流れていく
ここからどこへ行こうというのか
それともどこへ戻るというのか
そして私はどこへ行こうとしているのだろうか
灰色に続くアスファルトに
虹色チョークで絵を描こう
通り過ぎる人が
おもわず微笑んでしまうような
おおきなおおきなカタツムリ
紙なんかではおさまりきらない私を
腕をぐるぐる回しながら
そこに描いてみよう
秘かに雨を待ちながら
猫は笑う
口を開け舌を出し
ふふんと毛を舐める
猫は見る
その猫独特の魔法の目で
じっとじっと私を見つめる
猫は去る
観察した者がとるに足らないことを
十分見極めたかのように
その後ろ姿はすっきりとしている
私は猫をじっと見る
猫をじっと見送る
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