踏み込めば皮膚を裂かれるようで
息を呑むまま行過ぎる
しずかにしずかに
冷たい霧のような
混じりけのない時だけが
木々の根元に蹲る
社(やしろ)は気を放ち
空気は真空のように鋭利に重く光る
直線の鳥居
飛び立つ鳥の羽音
木々の葉の尖った先にそっと降りる月光
踏み込めば皮膚を裂かれるようで
息を呑むまま行過ぎる
しずかにしずかに
冷たい霧のような
混じりけのない時だけが
木々の根元に蹲る
社(やしろ)は気を放ち
空気は真空のように鋭利に重く光る
直線の鳥居
飛び立つ鳥の羽音
木々の葉の尖った先にそっと降りる月光
さようならことり
ちいさなことり
やわらかな毛がふわふわのあたまは
たくさんのきょうだいと眠る 土で固めた巣の上で
下から見れば黄色く縁取られた そのくちばしばかり目だっていた
さようならことり
ちいさなことり
まだ 空も知らぬのに
まだ 世界も知らぬのに
まだ 自分がなにものだとも知らぬのに
どうしておまえばかりが落ちた
さようならことり
ちいさなことり
あのちいさなきょうだい達はじきに飛び立ち行くだろう
遠くへ
遠くへ
遠くへ
そしてまたここでおまえは産まれればいい
伸ばした手に
やわらかき雨
浸透するからだに
誰に見られるためでなく
誰に見られるためでなく
そっとあじさいが咲く
彩られた萼は
やわらかな雨とともに
小さな花を抱きしめる
見上げず
うつむかず
自分の高さで
手のひらにあたためて
胸に抱える
あたためた想いと時間が
たとえ孵ることがなくても
こうして
手を重ねて抱きしめて
夢を描いた
幸せな時間
※ for 「蔦」
初めて見た色はきっと
まぶたの中の朱色
生きている私に理屈抜きで出会った
そして最後に別れるのはきっと
まぶたの中の朱色
生きていた私に理屈抜きで別れる
その生きる間に
たくさん
たくさん
たくさん出会いたい
昨日の私とは少しずつ
違う私になって
たくさんの人に
たくさんのものに
たくさんの優しさに
たくさんの悲しさに
たくさんのこの世にある全てに
※自作詩展示室の里枝さんと 共通のお題で書いていく事になりました。名前もWeb二人誌「蔦」とつけました。が、まだ今はTB形式で作品をつなげています。たくさんたまったら なにか見やすいカタチにしていきたいと思います。で、第一回のお題「出会い」でした☆
水をたたえて田は空を映す
家の灯りも
車のライトも
うるおい煌めく世界
蛙が身体より大きな声をあげている
田の淵に並べられたこれから植えられる苗の箱
たくさんの未来が
これからかかわるいくつもの出来事が
夢を見ながら眠っている
美しい夜の中で
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