緑の稲穂を泳がせ
葉の波をうねらせ
何処へ駆けていくのか
西方から吹く風よ
知らぬ間に時間は実を育て
柿の枝をしならせる
紫のりんどう
銀のススキ
紅の萩
世界はまだ美しいよ
あなたがいなくなった今も
緑の稲穂を泳がせ
葉の波をうねらせ
何処へ駆けていくのか
西方から吹く風よ
知らぬ間に時間は実を育て
柿の枝をしならせる
紫のりんどう
銀のススキ
紅の萩
世界はまだ美しいよ
あなたがいなくなった今も
闇を飛ぶ白き蝶
手を伸ばし微かに触れる
指先に残る光る鱗粉
そっとこの頬に
明かりはいらない
震えているのは知らなくていい
誰も知らなくていい
眠る幼子(おさなご)胸に抱き
柔らかな未来そっと揺らそう
ほらここはメリーゴーランド
白い木馬の上に乗り
これから出会うたくさんの
楽しいことの夢をごらん
オレンジジュースにぬいぐるみ
眠る老女の傍らで
籐の椅子そっと揺らそう
ほらここは海に流れ込む大河
頼りなき木の葉の船で
やっとここまでたどり着いた
楽しいことの夢をごらん
ニライカナイから船が来るよ
生きれば生きるほど
幸せが何かわからなくなるんだ
信じる神もないから
全ての答えが正しくて
立ち止まってばかり
あるがままに在る物に
いちいち意味なんかつけなくていいよ
もたれた壁の硬さだけが
今 背中が感じる真実
限界を感じ
ゴールの遠さに眩暈する
どうしたらそこに行きつけるのか
方法が見つからない
なにかを間違ったのか
どうすれば最短距離か
明日ならそれは見つかるのか
方法は見つからなくて
時間はどんどん道を削る
原因を探す暇も
幸運を待つ余裕もないのに
はち切れそうな内圧は最高レベル
外から見れば動きがなくて
いくら空っぽに見えたって
ちがうちがう
こんなにちがうんだ
何もできない自分にただ一つできることは
藻掻き悩み苦しみながら自分だけの人生を歩くこと
きっとそのステージでは必死に苦しむことが最高にクールで
逃げることと諦めることが最低な事なんだ
道を探せ
道を進め
信じようよ
いつかこのぎゅっと詰まった苦しさが
ゴールへと跳ぶエネルギーに変わる
空を求めて重なる梢
岩さえも愛おしむように
強く優しく根は伸びる
時間はやわらかな苔となり
全てを覆い輝いている
不思議な引力で異世界にも続いていそうな深い洞
高き梢に名も知らぬ鳥が鳴き交わす
受け止めて抱きしめることの大きさよ
あるがままにあることの気高さよ
透明な水をたたえる池よ
また会うことはあるのだろうか
空を映す水面の時間を
今真っ青なトンボがツイッと揺らした
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